Dangerous boy
「スマホ受け取った時に、あいつに何か言われてただろ。」

あんなに離れていたのに、そこまで知っているなんて。

誰かに好かれるって、少しだけ怖くなった。


「ああ……電源は切っておいたからって。」

「へえ。あいつ、そんな気遣いできるんだ。若いのに、すごいな。」

まさかLineの事なんて、部長には言えない。

「人は見た目に寄らないよな。あんな軽そうなのに、しっかり接客してる奴もいれば、帰りがけにスマホ忘れたりする奴もいるし。」

「うわー!言わないで下さい!」

私は、顔を両手で覆った。

「はははっ!でも、そう言うところが、可愛くて放っておけないんだよ。」

「なんだか、抜けてるって言われてるみたいです。」

「そうか?放っておけないって言うのは、女の武器だと思うけどな。」


私が手を放し部長の方を見ると、部長も私を見つめていた。


優しい笑顔。

温かい眼差し。

ドキドキする。
< 22 / 171 >

この作品をシェア

pagetop