Dangerous boy
知らないうちに私は、エレベーターの壁に、押し当てられていた。

「倉本……」

息が上がっている部長は、エレベーターのドアを閉め、最上階へのボタンを押した。


だんだんと昇っていくエレベーターの中で、部長は私の唇、頬、首筋と貪るようなキスをしていった。

「はぁぁ……部長……」

私は呼びかける事が精一杯で、部長のその舌使いに、溶かされていく。


その内、エレベーターは最上階へ。

すると部長は、ドアが開くのと同時に、エレベーターを降りてしまった。

「部長!」

「先に行ってくれ。」

部長は、下へ行くボタンを押す。


私は慌てて開くのボタンを押した。

「ダメです、部長!早く乗って下さい!」

「いいから、早く行け!」

「でも!部長一人を置いていけません!」

そして部長は、ドアに手をかけた。


「このまま同じエレベーターにいたら、襲うかもしれないから。」

私は一歩奥へ下がった。
< 40 / 171 >

この作品をシェア

pagetop