Dangerous boy
そこへ部長が閉じるのボタンを押したのか、エレベーターのドアが閉まり、1階へと下がっていく。

「はぁ……」

吐息にも似たため息をつき、私は一人エレベーターの中で、火照りを冷やしていた。

もしあのまま部長がエレベーターに乗って、私を襲ってきたとしても、私にも非がある。

けれどそうなったら、今日この後、尚太君の元へは行けないけれど。


部長にキスされた場所が、熱い。

あんな情熱的なキスをされ、あんな場所で止められたら、普通は部長に気持ちが向くのに。

どうして私はここまで、一度しか会った事のない尚太君に、会いたいと思うのだろう。


自分に対して、重い罪悪感を背負いながら、私はsunsetへと向かった。

ちょうどひんやりとした風が、私の体を包み、火照りと一緒に罪悪感をさらっていく。

ああ、何て都合がいいんだろう。

知らないうちに私は、sunsetへの階段を、昇り始めていた。
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