年上のアナタと大人の恋ができたなら

その日の夜

<美月、桐生専務に会ったんだ>

「コーヒー飲んでたら目の前に座っててちょっとびっくりした」

<これは恋のチャンスかもよ>

「恋のチャンス?」

<そうよ専務は今現在恋人はいないし、美月もでしょ?>

「そうだけど」

<そのブレスレッドをきっかけにお近づきになりなさい>

「ブレスレッドじゃなくて違うのに作り替えるけどね
それにしても無理やりじゃない?」

<そんなことないって>

「相手専務だよ?」

<専務だからって気後れすることないのよ>

柚樹の彼氏は某建設会社の部長だ、ゆくゆくは役員に昇進するらしい
だからって私にはハードルが高すぎる

「まぁ考えておくわ」

<美月は欲がないんだから、まぁ上手くいくよう祈っててあげる>

「はいはいありがと」そう言い電話をきった

確かにかっこいいなーとは思ったけど
でも専務っていったら社長の次の次くらいに偉い人でしょう?
インテリアショップのイチ店員の私とでは身分が違いすぎるよ

それに年齢もあの感じからすると30歳ぐらいだよね
ということは私とは7つも離れている うーん恋愛には発展しないだろうな
そんなことを思いながら昼間途中まで書いていたスケッチブックを広げる

”連絡待ってるから”

名刺をカバンから取りだしテーブルの上に置いた
「連絡まってるから、かぁ」
私はデッサンの続きを書きながらそんなひと言を呟いた


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