年上のアナタと大人の恋ができたなら

あと少しで閉店時間、そろそろ片付けを始めようとしていた時
店内にお客様が入ってきた
いらっしゃいませと声をかけても何も言わずただ店内をじろじろ見てるだけ

私たちは今までにも沢山のお客様を見てきている
商品を購入しにきたのかただの冷やかしかというのは見て分るようになっていた
明らかにその人は後者だった
しかしどこかで会ったことがある気がするが思い出せない

そんなことを考えているとその人と目があった
そして彼女が近づいてきたのでいらっしゃいませと声をかけると

「国府田美月さん?」と聞かれ一瞬返事が遅れた

「はいそうですけど失礼ですがアナタは?」

「私は東雲綾乃、桐生君の学生時代の恋人よ」

「え?」と驚いていると

「あら桐生君から聞いてない?」

「はい・・」

「ところでアナタと話がしたいんだけどお店は何時に終わるの?」

「20時には終わります」と言うと時計を見て

「あと10分くらいね、それじゃ私はこの先のコーヒーショップで待ってるから
終わったら来てちょうだい」そう言うとお店を出ていった


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