副社長と秘密の溺愛オフィス
「どうだったって……社長はうまくごまかせたみたいですけど……ちょっと自画自賛すぎません?」

「いいだろ、事実なんだから。でもせっかく守ってやったのに、結局君が痛い思いをしてるんだな。大丈夫なのか、額の傷?」

「はい、見かけほどひどいわけじゃないですから」

「ならよかった……」

 ほっと安心した表情を浮かべたのを見て、本当に全力でわたしを守ってくれたのだということがわかった。

 そういえばまだお礼も伝えていなかった。

「副社長、わたしをかばってくださりありがとうございました。あのときのお言葉のおかげで、安心しました」

 わたしの言葉に、一瞬面をくらったような顔をした。そしてすぐに目を逸らす。

「いやほら、俺、昔から有言実行の男だから」

 またもや自分をほめる副社長になかば呆れながらも、あながち彼の言うことは間違っていないと思う。

「確かにそうですね」

「あぁ。だからこの変な状況も俺が必ずなんとかしてやる」

 小さなわたしの姿の副社長なのに、たくましく見えた。

 人というのは中身でこんなにも違って見えるものなのかと感心してしまう。

 わたしは頼もしく思い、しっかりとうなずいた。
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