クールアンドドライ
 好きにしろと言われたので、好きにすることにした。

 シャワーを浴びて、勝手にタオルを借りた。
シャンプーもコンディショナーも借りた。
もちろん、ボディーソープも。
でも、洗顔は出来なかった。
化粧水ないし・・・夏とはいえつっぱりそうだし。
何となく、マスカラが落ちきってない気がするが、まぁいっかぁ。
時計を確認すると、まだ朝の5時だったので、もう一眠りするため、寝室へ戻った。

 次に目が覚めると、朝の光が燦々と部屋を照らしていた。
まだ、起き上がる事が出来ず、布団の上でボーッとしていた。
「お前、なんて格好してんだ!!」
と、隣から久し振りに聞く怒鳴り声がした。

 びっくりして、起き上がると、
    あっ!!
そうだった、課長のTシャツ借りたんだ。
取り敢えず、急いでタオルケットで、下半身をガードした。

 「すみません。」いたたまれずに、謝る。
内心では、Tシャツくらいでそんなに怒らなくてもイイじゃん、と思っていた。

「お前、着てた服は?」

「洗濯機の中ですが・・」

「分かった、もう少し寝てるから、さっさと服着ろ!」と言われ、寝室を追い出された。

 ああ、失敗した。
課長より、先に起きる予定だったのに。
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