運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~
「でもさ、美琴のお父さんが連れてくる人が運命の王子ってこともあるかもよ?」
楽しそうにそんな可能性を話す真帆だけど、私は首を横に振る。
「やだ、どうせ医者だもん。お父さんのことは尊敬してるけど、周囲の医者がお父さんにゴマをすったり、逆に蹴落とそうとしたり、そんな話もよく聞くから、医者にはあまりいいイメージがない」
派閥とか権力争いとか、ドラマの世界だけかと思っていたけど、実際に起きているからこそドラマの題材になるんだよね。もちろん、医者が素晴らしい職業であることは違いないんだけど……。
「なるほど……確かにね。そういえば、夏に研修した先でも、そんなドロドロした噂聞いたことあるなぁ。白衣の悪魔なんて呼ばれてる医者がいるって」
「白衣の悪魔……それはまた、すごい悪人っぽい響きだね」
ワードから勝手にメスを持った殺人鬼のような不気味な男を想像してしまい、私はぶるっと身震いした。
「出世のためには手段を選ばないし、あとは女癖がすごい悪いんだって。病院のナースは全員食べちゃって、時には患者に手を出すこともあるけど、その悪魔が超イケメンだから、女性の方も訴えないとかなんとか」
「わ、サイアク」
まさに悪魔だわ……。それにしても、いくらイケメンだからってセクハラ行為を許すのはどうなの? 同じ女性として、その辺は理解できない。