眠らせ森の恋
「起きてから、お前の布団に入ったんだ」
「なんでですか?」

「……婚約者だから」
「……そうですか」

「なに軽く流してんだ……?」
と言われたが、いや、それより前の一言が引っかかっていたのだ。

 寝相が悪くないと誰に言われたんですか。

 お母様ですか?

 ご兄弟ですか?

 それとも――。

 つぐみは布団を被り、丸くなる。

「出てってください~」
と言うと、

「家からか?」

 俺の家だぞ、と言われた。

「私の布団からですっ」
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