(完)最後の君に、輝く色を
もう涙は抑えられなかった。


私こんなに涙もろくなかったはずなんだけどなあ。


最近しょっちゅう泣いてるや。


「う"う〜〜っ」


手紙が濡れてしまわないように、机の端にのける。



ごめんね、飛鳥。



飛鳥の苦しみに気づいてあげられなくて。



悩みを話させてあげられなくて。



何もできない私でごめんね。



いつのまにか、京子ちゃんが前に立っていた。



「飛鳥ね、屋上に行った日からどんどん元気になっていったの。
見違えるようだった。
あのね、飛鳥には夏実に居場所を教えないでくれって言われたけど、
もし、夏実がどうしても知りたいっていうなら私教えるよ」


京子ちゃんは私を癒すように迷いのない声で話した。


しばらく考えた。



ずっと会いたかった。



でも今のままで会える?


ううん、会えない。


このままじゃ、私またきっと飛鳥を傷つけてしまう。


だから、描こう。


飛鳥が来てくれた時、胸を張って会えるように。


私にはそれしかできないんだから。


首を振って、涙をすすり、笑った。


「行かない。飛鳥はきっと手術を成功させてくれるって信じてるから。
私はずっと待ってる」


京子ちゃんは泣き笑いのような表情を浮かべて頷いた。


「わかった」





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