(完)最後の君に、輝く色を
「あの時の約束、果たしに来た」



その言葉に言いたいことは山ほどあるのにその中のどれを選べばいいかわからなくて



「…遅すぎるよ…」



静かに訴えると、飛鳥は困ったように眉を下げて笑った。



「リハビリとか時間がかかっちまってさ、ごめん。
今果たしてもいいか?」



涙を堪えて頷く。



飛鳥の笑顔が真剣な顔つきに変わった。



「夏実、お前が好きだ。
これからも俺のそばにいてほしい」



じんわりと暖かいその言葉が胸にしみる。



一度は堪えた涙がまた溢れる。



飛鳥がいる。



飛鳥がいる。



私を好きだと言っている。



飛鳥の発した一音一音を噛み締めて、ゆっくりと口を開いた。



「私、この先も沢山弱音吐くと思うし、
それで飛鳥を嫌な気持ちにさせちゃうかもしれないよ」




「かかってこい」




ニヤッと笑う飛鳥がおかしくて笑ってしまう。



「会えない間、飛鳥のことしか考えられなかった。
私も飛鳥が好きだよ。
飛鳥のそばにいたい」




そう伝えると、その瞬間飛鳥は強く私を抱きしめた。




止まらない涙を、飛鳥は壊れ物を扱うようにやさしく拭ってくれる。




「ありがとう。待っててくれて」




「もう待つのはたくさんだよ」




「はは、一緒にいられなかった一年分これからたくさん思い出作ろう」



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