(完)最後の君に、輝く色を
「そう?」


「うん」



そこで会話は止まってまた静かになる。



この前の反省から持ってきた時計の針を見ると、もう五限目開始まで10分しかない。



名残惜しいけどここまでにしておこう。



スケッチブックを閉じて、立ち上がった。



スカートに着いた砂を払う。



「もう行くのか?」



ちらっとこっちを見てそう問いかけてくる。



「うん。ありがとうね。また明日もよろしくね」



「…ああ」



ドアの方に歩いて行くと、見送ってくれるつもりなのか飛鳥も立ち上がって後ろについてきた。



ドアを開けて、私は中に入るけど飛鳥は外で立ち止まっている。



手を振って階段を降りて行くと、後ろから無機質な声をかけられた。



「正直な方がいいんじゃねえの?…なんでもさ」



なんでもっていうのは先生のことだろうな。



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