色を待つ僕と雪を待つ君。
一人暮らしの僕の家に彼女がやってくるのに対して時間はかからなかった。
付き合って1ヶ月と少し。初冬の少し冷える日だった。
彼女は僕の家のこたつでボーっとしている。
僕は彼女の前に座り、こう聞いてみた。
「なんで…なんで僕なんかと付き合おうと思ったの?」
彼女はすぐに答えた。
「あなただったから。」
僕はこの言葉を理解出来なかった。
「どういうこと?」
「その内わかるよ。」
彼女はそう言ってまたぼーっとしだした。
どれ位静かな時間が経っただろうか、時計は夜の10時を示していた。
「帰らなくていいの?」
「いいの。ねぇ、こっち来て。」
僕は言われるまま彼女の方に寄って行った。
「…」
彼女は真正面から無言で僕に抱きついてきた。
「…寂しいの。」彼女は言った。
僕は少し間を開けて答える。
「大丈夫だよ。落ち着くまでこうしてる?」
彼女はまた無言で頷き、僕の胸に顔を埋めて、そのまま2人共しばらく話すことも無く動かずにいた。
彼女の体は鳥肌が立つほどに冷たかった。その時はそういう体質なのかとしか思っていなかった。
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