ロング・バケーション
彼女は私が戻るまで城島先生に此処に居てもらえば良かった…と言い、ピッチの番号を押して彼に状況を伝達した。


「…はい、分かりました」


電話を切ると、青木さんはケースに記録を残そうとしている私を振り返る。


「野々宮さん、これから直ぐに酒井さんを連れてMRIへ行って下さい。城島先生が検査室に連絡を入れているそうですから」


なるべく揺らさない様にリクライニング車椅子で移動してと言う。
自分では全く動こうとしない彼女にイラッとしながらも、言われた通りに四病棟に出向いて行った___。




「はぁ…」


昼食休憩になり、私はやっと青木さんの指示から逃れられた。
あの後も散々こき使われ、やれやれ…といったところだ。


「凛ちゃん、お疲れ」


私が来たのを見つけたのか、背後から一咲が近付いてくる。


「本当にお疲れだよ」


肩を窄めながら溜息を吐く私を見て、彼女は何事?という顔をした。


「今日は青木さんとの勤務だから」


クタクタ…と言う私に気の毒そうな目を向ける一咲。

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