私の彼はオイルの血
「ちょ…ちょっと…」
私は顔を真っ赤にして目線をそらす。
絶対真っ赤なのバレてる!最悪だ!恥ずかしい!
「オデコ……大丈夫そうだな」
彼はそんな事を気にも止めないそぶりでニコリと笑った。その口元から見える白く整った歯はキラリと輝く。モデルでもやっているのか?彼の整った顔は並みの芸能人なんか目じゃないくらいカッコ良い。
とにかく恥ずかしい。私はその場所から立ち去りたかった。
「あ、気にしないでください。
大丈夫なんで」
彼を避けて教室に向かおうとすると、私の腕をガッシリと掴む。
「え?!」
何がなんだかわからない。
彼は私の腕をグイッと引っ張って引き止める。
彼の顔と私の顔が再び向き合う。
「ちょ…ちょっと!」
驚きと恥ずかしさでパニック。
彼は私をジッと見つめる。
「ちょっ…ちょっとなんなんですか!」
彼は再びニコリと笑って
「この学校にこんな子いたんだ……」
私は彼の手を振りほどく。
「ど…どういう意味?」
【キーンコーン♪カーンコーン♪】
朝のホームルームが始まるチャイム。
「あ!行かなきゃ!
オデコは大丈夫なんで!」
私は急いで教室に向かう。振り向くと彼は私を見つめて不敵な笑みを浮かべていた。