【短編】転校生
倉庫の鍵を貰おうと職員室に行くと、鍵がない・・・
「えぇ?。他のクラス使ってんのかなぁ。」
仕方なく、そのまま体育倉庫に向かう。
倉庫のドアを開けると・・・・
「あ・・」
「おぉ、真希じゃん。」
学だった。
なんで?なんでそんな普通なの?
「バトン・・・・・」
私が呟くと
「おぉ、はい。」
バトンが入った籠を私に渡す。
「とりあえず、仲直りぐらいしたら?真希と学がしゃべんないとか見ててじれったいし。」
って真里菜の言葉を思い出す。
仲直りったってケンカしたわけじゃないし・・・・・
私にバトンを渡した後、動かない私に
「なに?そんなに見つめて。照れるやん。」
なんて冗談を言う学になんだか腹が立った。
「何それ・・・・・」
下を向いて唇をかみ締める。
「相変わらず、冷たいなぁ~。」
なんでこんな軽いヤツのためにこんなに悩まなきゃなんないの?
私は真剣にイロイロ考えてるのに!!
こんなヤツを好きな自分が信じられない!
「何なの?!からかうのもいい加減にしてよ!アンタのせいでこっちは迷惑してんの!体育祭だって近いのに!」
「・・・・・そんな迷惑なん?」
「え・・・・?」
聞いたことないような学の低い声にびっくりした。