君を忘れるその日まで。


体育祭が着々と迫ってきている今日この頃。


グラウンドから聞こえてくる野球部の声が、今が放課後だということを実感させてくれる。


俺が彼女と教室に2人きりなのは、理由がある。


彼女によると、どうやらこの学校は、他の学校よりも部活動が盛んらしい。


野球部においては、大会でも好成績を残しているとのこと。


そこで、「部活をやってる生徒は部活優先が好ましい」という教師陣の意見の元、面倒くさいことに体育祭の準備に部活不参加者が収集される結果になったのだ。


運動が嫌いな俺は、もちろん帰宅部。


そして意外なことに、目の前の彼女も帰宅部だったのだ。


今は、クラスに2人しかいない俺たち帰宅部のメンバーが、クラスの横断幕を作っているところ。

< 8 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop