溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
「え? それ、ホントか?」

「あれ、お前、知らないのか? マリのヤツ、半年ほどこっちにいるらしいぞ」

「あ、いや、待ってくれ。あー、そんなメールを読んだような気がする」

「だろ? ちゃんとしなきゃトラブるんじゃないか?」

 真壁は神妙な顔をして自分を見ている悪友に向けて顔をしかめた。

「ちゃんとってな、まるで僕がだらしないような言い方をしないでくれるかな?」

「お前の性格はよく知っているよ。俺はな。だけど、マリは俺じゃないから、お前と結婚するものだと思っている。己の一族の一員になることはお前にとって最大の幸福だとな。俺とお前以外の男には当てはまるかもしれないから、あながちお嬢さまの身勝手な妄想でもないだろうけど」

「おいおい」

「事実だから仕方がない。誰だってバックフィードマートの創業者、クラーク・コールドマンの身内になれるとなると有頂天になるだろうさ。だけど、マリも自分の祖父のこと、わかっているようでかわっていないけど」

 真壁はコーヒーカップに手をやり、一口飲んだ。それからチラリと目だけ動かして悪友を見る。その悪友はにやりと得意げな笑みを浮かべた。

「クラークがタクミ・マカベを気に入ったのは、下らん野心がないからで、純粋に流通王の成功をマーケティングから分析し、成功事例をまとめたかったからだ。そこにまったくの不純な考えはなかった。マリとの関係に興味を示さなかったことは大きいだろう。クラークはお前がマリに対して恋愛感情を抱いていないことはよくわかっている。わかっていないのはマリだけだ。まぁ、それ以外の連中は、わかってる上で希望期待を抱いているけどな」

「・・・・・・・・」

 悪友がフンと笑う。
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