忘れて、思い出して、知る


「ふざけるな!」


「なにが実力だ!」


「ここから出てけよ!」



一方、栞たちはいつも通りの遥で、安心していた。



「黙れ」



すると、隼人の低い声が会議室全体に聞こえた。



マイクを通したわけではないし、大きな叫び声でもなかったのに、いつも以上に騒がしい会議室によく通った。


隼人は後ろの壁に腕を組んで体を預けて立っていた。


会議室が静寂に支配される。


隼人はそのまま遥たちの横に立つ。



「誠、悪かったな、俺の部下が勝手な行動を取って」



謝罪を受けても、誠は不服そうな顔をやめない。



「でもな、よく考えてみろ。お前ら一課はどれだけ八課に頼ってきた」



全員言葉をつめらせる。



「八課にだけは配属されたくないとか思ってるみたいだが、悪いな。お前らみたいな無能は八課にはいらないんだよ。同期のやつはよく知ってんだろ。こいつらがどれだけ優秀か」



律、宙、遥、栞の同期はさらに俯く。

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