幸せの晴れ
お母さんがいてくれたら…。
そう思わずにはいられなかった。
翌日、私はおばぁちゃんと2人で暮らしたこの家をあとにした。
おばさんの家は、私が住んでいた場所から電車やバスを乗り継いで行く。
田舎に住んでいた私が都会に足を踏み入れたのだ。
「入って。」
そう言われて入ったおばさんの家は、
新築してからまだ2、3年しか経っておらず新しい匂いがした。
リビングに入ると、おばさんの旦那さんと
私より2コ上のいとこ、樹(いつき)がいた。