幸せの晴れ


「ちょっと待てよ。
その、親父と陽菜ちゃん、本当は愛人関係にあるのか?」

「違う。
私と陽菜ちゃんは決してそういう関係ではないよ。」

「そっか。」


確かに私と清水さんはそんな関係ではない。


けれど、突然結婚しなさいと言われて“はい”とは言えない。


もちろん私は晴也の事を今でも愛しているし、晴也が晴陽の父親には変わりない。


でも、晴也には彼女だっているだろうし、ゆくゆくは会社を継ぐ事だって変わってないだろう。


「あの、結婚は待って下さい。」


私の言葉に晴也と清水さんがこっちを向く。
< 232 / 286 >

この作品をシェア

pagetop