幸せの晴れ


いっそ、産まれてこなければ1人になる事もなかったし、

生きる意味を考えなくても済んだのに。


私はいつまでもがき続けるのだろう。


1人でいるのが楽なのに、

たまに一人ぼっちがものすごく寂しく感じる。


母に会いたいという気持ちはさほどなかったけれど、

おばぁちゃんに会いたいという気持ちは常にあった。


今の私の姿を見て、おばぁちゃんは何て言うだろう?


私は、おばぁちゃんの月命日にはお墓に足を運ぶ。


そこに行くと、温かい気持ちになれる。


おばぁちゃんがそっと抱きしめてくれてるみたいに…。


その時の私の、唯一安心する場所はそこだけだった―――
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