幸せの晴れ
晴也の声を聞いた途端、涙が溢れる。
「…晴也、…助けて。」
私はそう言っていた。
「陽菜ちゃん!?どうしたの?
今何処にいる!?」
まくし立てるように聞いてくる晴也。
「家から少し離れた…公園。」
「わかった。すぐ行くからそこにいろよ。」
そう言われて電話は切れた。
どれくらい待っていたかは覚えていない。
けれど、多分そんなに長い時間ではなかったと思う。
公園の入口に1台のタクシーが停まり人が降りた。
タクシーが走り去り、その人は公園の中に入ってきた。
そして、ベンチに座る私に駆け寄ってくる。