幸せの晴れ
「今日のデートは楽しかったね。」
「えっ。…うん。」
デートという言葉に反応してしまう。
「じゃあ、また学校で。」
「うん、本当にありがとう。」
私の家の近くまで送ってくれた晴也。
夏の日は長く、辺りはまだ少し明るい。
あと数日で夏休みに入るというある1日。
私は少しだけ晴也に近付く事が出来た。
けれど、笑っていられたのはこの日まで。
やっぱり私は誰かに救いを求める事なんてしちゃいけなかった。
でもね、晴也と過ごしたこの時間は、
私にとってかけがえのない宝物を手に入れた時でもあったんだ―――