幸せの晴れ


「今日のデートは楽しかったね。」

「えっ。…うん。」


デートという言葉に反応してしまう。


「じゃあ、また学校で。」

「うん、本当にありがとう。」


私の家の近くまで送ってくれた晴也。


夏の日は長く、辺りはまだ少し明るい。


あと数日で夏休みに入るというある1日。


私は少しだけ晴也に近付く事が出来た。


けれど、笑っていられたのはこの日まで。


やっぱり私は誰かに救いを求める事なんてしちゃいけなかった。


でもね、晴也と過ごしたこの時間は、

私にとってかけがえのない宝物を手に入れた時でもあったんだ―――
< 92 / 286 >

この作品をシェア

pagetop