いつか快晴の下で笑えるまで
カツンッ
白いボロボロの柵に踵をくっつけて前を見てみる。
足の置き場はどうも狭く、つま先は空中に放り出されてしまった。
あぁ、この冷たい町並みを高いところから眺めるのはいつぶりだろうかと、心の隅で考えていると、サァァッと私の頬を撫でるかのように、風が吹いていった。
なんて心地のいい、ムシムシした風なんだろう。
どうせ飛ぶのなら、快晴の日が良かったのに。
いや、私に快晴なんて言葉は似合わないか。
私なんかには、今日みたいな曇り空がお似合いだ。
あぁ、いつから私は快晴の空の下で生きられなくなったんだろう。
いつ失敗した?
どこから道を間違えた?
改めてそう考えてみても、一向に答えは出てこない。
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