瞳の奥
「けど、昼翔君の顔とかよくわからないよね。前髪で隠れてて、髪ボサボサだし。眼鏡もつけてるし。何考えてるかわかんない。女子と話してるのは夜絵しか見たことない。」
友はう~んと考えながら言った。
「たしかに...。それに二人に比べて華がないっていうか...。」
理香は友が言ったことに納得してるようだ。
私も二人が言ってることに納得いく。
昼翔は中学1年まで、すごくモテていた。恐ろしいほどに。けど、急にこんなスタイルに...。眼鏡も伊達だし。なんでだろう?
自分の考えでは女子恐怖症?になったのかと思っている。
答えを聞きたかったが、聞くことはしなかった...。
沙羅は昼翔の中学時代を知っている。
だからなのかさっきから黙っている。
昼翔のポイントアップしないと。
かわいそうだし...。
イケメンは伏せとこう。
「家では笑ったり、結構話したりするよ。」
「想像できないね。」
「うん。」
二人とも昼翔のこと...。
私、さっきから昼翔のことばっかり考えているじゃん。
話題変えよう。
「ねえねえ、友と理香は何出るつもり?私達は二人三脚。」
すると、沙羅が二人より早く答えた。
「友はリレーでしょ?理香はパン食い競争かな?」
「当然でしょ。陸上である私がこのリレーでないと行けないでしょ。」
友は陸上部の短距離のエースだ。凄く足が早く、全国大会で入賞するレベルだ。
「沙羅、友は分かるよ。なんで私がパン食い競争出るってわかったの?」
「だって、理香は食いしん坊さんじゃん。休み時間にお菓子食べても、お腹すいたーって言ってるじゃん。」
「そうそう。理香は昔から食べてることしか考えてないよねー。」
友と理香は小学校から一緒だ。
それより理香の体型みんな気になるよね。
これが細いんだよ。運動オンチなのに。絶対お腹になんか飼ってるな。
「えー、学校では我慢している方だけど。恥ずかしい。」
「「「嘘つけ!!」」」
この時、三人の気持ちが一致した瞬間だった。