人面瘡
地主
その日、あたしはなかなか寝付く事ができなかった。


おつねの体を埋めた方法には規則性があり、それは頭部のありかを示しているものかもしれなかったのだ。


あの地図から見えて来たヒントが本当のことだったとすれば、おつねの頭部はこの街のどこかにまだ眠っていることになる。


「一番有力なのは、学校の裏山じゃないか」


電気を消した暗い部屋の中、雄生がそう言った。


「石碑があったもんね。おつねの名前も書かれてた」


あたしはそう答えた。


希望と不安が入り混じり、鼓動が早くなるのを感じる。


この街の中にあるのなら、探し出せる可能性は随分と高くなる。


この呪いを解く事ができるかもしれないのだ。

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