人面瘡
触れていた墓石が大きく横倒しになった。


その下の土がボコボコと動いている。


「アズサ、立て!」


雄生があたしを支えて立たせようとするけれど、あたしの体は鉛のように重たくなり、動かない。


必死に声をあげているのに、その声もすべておつねの声にかき消されてしまう。


盛り上がった土から青白い手が覗き、その手があたしの足首を捕らえた……。

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