人面瘡
春子のお父さんがあたしの体を後ろから引っ張り、どうにか引き込まれなくてすんだ。


ものすごい力だ。


それほどの怨念がこの中に蓄積されているんだろう。


戸惑った様子だった男たちも、この様子を見た瞬間顔色を変えた。


「これはおつねだな」


誰かが呟くのが聞こえて来る。


「ようやく顔が見つかったのか。よし、スコップを持ってこい!」


こうして、100年の年月をかけてようやくおつねの顔が見つかったのだった。
< 198 / 204 >

この作品をシェア

pagetop