人面瘡
きっと、真っ赤になっていることだろう。


雄生に愛されてる? あたしが?


そんなこと信じられなくて何度も瞬きを繰り返してしまう。


「なになに? アズサ顔真っ赤じゃん」


あたしたちの会話を聞きつけて沙和が近づいて来た。


「アズサは雄生に愛されてるって話をしてたの」


「ちょっと春子!」


慌てて止めるがもう遅い。


沙和は目を丸くしてあたしを見ている。


「告白でもされた?」


沙和の質問にあたしはブンブンと首を左右に振って否定した。


「そんなの、全然まだだから!」


2人に向けてそう言い、あたしは逃げるように自分の席へと向かったのだった。
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