人面瘡
☆☆☆

平日の病院は思っていたよりも人が多かった。


けれど学生服を着てお母さんと一緒に来ているのはあたし1人で、嫌でも周りからの視線を感じていた。


居心地の悪さを覚えながらも、ようやく名前を呼ばれて診察室へと向かった。


若い女の先生がいて、あたしは内心ホッとした。


膝だけれど、触れられるかもしれないと思うと、やっぱり女の先生の方が安心できる。


あたしは椅子に座り、包帯を解いて行った。


傷口を見た先生は「どれほどひどい怪我をしたの?」と、驚いている。


あたしは傷がだんだん悪化して来ていることを伝えると、先生は塗り薬を処方してくれた。


「薬を使い切っても治らなかったら、すぐにまたおいで」


そう言われて、あたしは病院を後にした。
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