極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「この仕事が好きだって気持ち、わかります。私も、好きだって気持ちだけでやってきたので……」
「園咲社長が、長谷川さんは優秀なプランナーだと、言っていました。一目置いているって」
フォークにカルボナーラのパスタを巻き付けていた長谷川さんは、お皿の上に目を落としたまま、首を横に振る。
「そんなことはないです……好きで始めた仕事のはずなのに、いつからか成績ばかりが気になるようになってしまって」
「成績……?」
「お客様を獲得することばかりに必死になって、楽しんでお客様に向き合おうという気持ちが、あの頃とは変わってしまったなって」
笑って誤魔化すような顔をしてみても、長谷川さんの表情はどこか寂しげ。
好きで就いたウェディングプランナーの仕事だったのに、業界最大手の会社に入った長谷川さんには、楽しんで仕事をするだけではやっていけない現実があったのだと思う。
周りのプランナーには負けられない。
成績という数字で比べられる日々。
自由にのびのびと、自分の思うままにやっていいと澄子叔母さんに背中を押してもらってきた私とは、環境がまるで違ったのだろう。