極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「だから、こんな風に弱音みたいなのを吐ける相手も、職場にはいなくて……表面上では仲良くしているけど、実際はお互いライバル視していて、隙があれば蹴落そうって思ってるんだと思うと、常に強気でいなくちゃならないっていうか」


そこまでスラスラと言った長谷川さんは、「あ、すみません、愚痴を」とはにかむ。

巻き付けたパスタを口に頬張った。


ミーティングの時、初めて会った長谷川さんを思い出してみる。

闘争心を露わにした真剣な表情。
お客様は渡さないという気迫。

いつもピリピリとした緊張感の中、仕事をこなしてきたのだと感じ取れた。


「それは、仕方ないことだと思います。あんな大きな会社のプランナーをしていれば、尚更。楽しいだけじゃ、やれない部分もあるかと……でも、お客様のことを考えている長谷川さんは、本当にこの仕事が好きなんだなって、私には見えました」


さっき、演出の話をした時、長谷川さんはキラキラした目をして話を聞いてくれていた。

この仕事が好きで、ワクワクして、楽しんでいるのがわかった。

自分が身を置いた環境が過酷だったこと、それを変えることは難しい。

だけど、好きで楽しむ気持ちを忘れなければ、きっともっとこの仕事が好きになるに違いない。

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