極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


大型連休明けの高速道路は、目立った渋滞もなく、車はスムーズに目的の伊豆方面に向かっていく。

やがて、窓の外には相模湾が見えてきて、海沿いの道に出ると自然と気分がワクワクし始めた。


「慶太さん、あの、ありがとうございます」


運転をする慶太さんを目に、唐突に声を掛ける。

慶太さんは不思議そうに横の私をチラリと見遣った。


「熱海に、行きたいと言ったことです。どこか行きたいところと聞かれて私、即答しちゃってましたし……」


そう言われた慶太さんは、「構わないよ」と言ったきり口を閉ざす。

私がその先の言葉を出し渋っているのを、まるで感じ取っているかのように静かに沈黙を守っていた。


「亡くなった両親が……よく、熱海に旅行にきていたらしいんです」

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