極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


普段、仕事でも男性と話す機会は多くある。

お客様であったり、取引先の業者だったり、サービス業なのだから会話は日常的なことだ。

そういった場面で話すことに難しさを感じることは特にない。

相手の目を見ても話せる。

だけど、慶太さんとはそうはいかない。

言葉をやたら慎重に選んでしまうし、どんなことを話していいのかと困ったりしてしまうのだ。

何より、鼓動が勝手に速まり、暴走し始める。

出会ったばかりの頃はまだ、今より普通に話せていた気がする。

それなのに、日が経つにつれ、会う回数を重ねていくにつれ、緊張を高めてしまうようになっている。


ティーカップに口をつけながら、隣に並んで掛ける慶太さんを盗み見る。

同じようにカップを手にガラス窓の向こうを見る横顔は、いつ見ても美麗で涼しげ。

どうしてこんな素敵な人が、私に“落ちた”なんてこと言うのだろう……?

< 238 / 358 >

この作品をシェア

pagetop