極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


楽しかった熱海からの帰り道、私が書いてきた婚姻届をいつ出しに行こうかという話になった。

慶太さんはこのまま出しに行こうかと言ってくれたけれど、私はそこで一つお願いをした。

届を出す前に、お義母様にきちんと挨拶をしたい、と。

そう言った私に、慶太さんはどこか釈然としない様子だった。

慶太さんとお義母様の間に生じた確執は、私が思っている以上に根深いのかもしれない。


「なんか……緊張してくるわね」

「ちょっと、そんなこと言わないでよ。私まで緊張してくる」

「だって、のどかの話聞くとさぁ……」


慶太さんのお父様や慶太さん本人には会ったことのある澄子叔母さんも、お義母様とは会ったことがないらしく、今日は朝からそわそわしている。

澄子叔母さんとは、纏う雰囲気が明らかに違っていたお義母様。

澄子叔母さんが仲良くしている友人にもいないタイプだし、“母”同士が打ち解けられる可能性は極めて低そうだ。

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