極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
慶太さんが用意してくれたのは、日本庭園が見事な料亭だった。
タクシーは立派な門から中に入ると、左右に庭園を望みながら進んでいく。
格式高い日本家屋のような建物が近付くと、澄子叔母さんと共にタクシーを降車した。
庭園は刈り込まれた芝が一面に広がり、緑色の絨毯を敷き詰めたように見える。
建物の周囲にはところどころに立派な年代物の松が枝を伸ばしていた。
圧倒されながら入り口に向かって歩いていくと、入り口奥から慶太さんが姿を現した。
今日は黒のスリーピースに臙脂色のネクタイを締めている慶太さん。
私の姿に笑みを浮かべると、横にいる澄子叔母さんに向かって礼儀正しく頭を下げる。
一週間ぶりに会う慶太さんの姿に、鼓動がトクトクと忙しなく音を立て始めていた。