極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「でも、本当に良かった……」

「はい……ホッとしました」


エレベーターを降り、慶太さんの社長室へと向かいながら、思い出したように谷口様の話を切り出した。

この報告のためにきたのに、短時間に色々なことが起こりすぎて忘れかけていた。

お父様から出席の返事をいただけたことを知らされた慶太さんは、私のような派手なリアクションは取らなかったものの、喜びを露わにした。

大切な友人の結婚式。

懸念されていたお父様の出席が決まったことは、慶太さんにとっても嬉しいことに違いない。


「あとは当日に、新婦様とお父様を、また元の仲のいい親子に戻れるお手伝いができたらって、長谷川さんとプランニングしてます」

「そっか。どんな式になるか、期待してるよ」


慶太さんが開けてくれた扉を入りながら、「はい!」と元気よく返事をする。

中に入ると、前に来た時にはなかったウエディングドレスを着たマネキンが、入り口近くで訪問者を出迎えるように飾られていた。

プリンセスラインの繊細なレース使いが可愛らしい純白のドレス。

このデザインは、私も好きな国内の人気ブランドのものに違いない。

そこの新作ドレスなのかもと、つい足を止めて見惚れていると、慶太さんが隣に並んだ。


「彼らの式が終わったら、俺たちの式の準備も始めようか」

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