極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


立ち尽くす自分にハッとし、こちらを見つめる姿にすかさず深く頭を下げる。

見えたのは、今日は明るいブルーのスリーピーススーツを身に纏った園咲さん。

同じように丁寧に頭を下げ、私の足元から伸びるレッドカーペットの階段をゆっくり一段ずつ下りてくる。

優艶なその容姿に息を呑みながらも、気持ちを奮い立たせ背筋を伸ばした。


「お待ちしていました」


近付く園咲さんは薄い唇に笑みを浮かべ、低く落ち着いた声で私へと声を掛けてくる。


「私がお迎えに上がっても良かったのですが、ご足労をお掛けしましたね」

「いえ。こちらこそ、お時間をいただきありがとうございます」


極めて丁寧に真面目な面持ちを保って挨拶をすると、園咲さんはふわりとやっぱり舞い降りたような笑みを浮かべて私を見つめた。

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