僕は桜に恋をした。




夢だと思った。





そこにはいるはずのない。





君がいたから。







僕は桜が散るなか、




一歩ずつ、





一歩ずつ、





彼女に近づく。





前にもし会えたらはじめに何を言おうか考えたことがある。





久しぶり。





元気だった?





なんでいなくなったの?






好きだ。







たくさん言いたいことがある。







彼女の顔がよく見えるようになった時、





僕の頬になにかがつたった。








彼女への一言目。








それは10年前のあの日から決まっていたのだ。













「逢いたかった。」









この再会は、







神様がくれた、







そして桜が運んできてくれた、










僕への最後の、








最高の、






プレゼントだ。







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