これを恋と告うのなら。
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そんなある日のこと。



終礼が終わり、ようやく解放された放課後。

私は自販機に向かおうと、教室を出ようとした。




「瑠羽、自販機?」



「うん」



「未佳も行く!」





後からちょこちょことついてくる未佳は、女の私から見ても可愛い。

可愛いのに・・・






「未佳と愛を育もー!」




「やなんでいきなり?!」




「るぅーわぁー」





「無理無理無理無理離れろ!!」






口を開くと誰もが引くくらいの変人。

・・・クセが強いんじゃ。



引っ付く未佳を離し、隣に立たせた。







「どうせ彼氏いないんやからいいやん、減るもんじゃないし」





「どうせとか言うな!減ってしまう絶対」







とか何とか言っているうちに、自販機に着いた私は、迷わずボタンを押した。






「瑠羽、ほんとミルクティー好きやなぁ」






「うん、一筋300年」








「あれ、なんか聞いたことある・・・」








「未佳は買わないの?」










「うん!未佳はついてきただけ」









いひひ、と幼く笑う未佳を見て、思わず頬が緩むのが分かった。







「可愛いな」






「いやー!もう1回いってー!!」








「言わない!すぐ調子のる!」








「未佳が瑠羽の彼氏になりたい!!」











「年中お断り!未佳みたいなチビは特に」














「それは禁句!これからもっ・・・「今の人やばめっちゃいい匂い」







「聞いてる!?」









身振り手振りしながら私に話しかける未佳をおいて、持ち主を探す。


周りを見渡すが、放課後ということもあり、生徒で溢れているこの場所では見つけられなかった。




まだ冬真っ只中であり、風は容赦なく体に向かってくる。

思わずブルッと体を震わせた。


















「えぇいい匂いだったなー・・・誰だろ」









「そっか、瑠羽匂いフェチやん」











「うん、まじの匂いフェチ」

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