彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました



僕が神社に着いた頃には曇っていた空から雨が降り出し、辺りはすでに暗くなっていた。

「少し、怖いなぁ」

昼間は明るくて人の姿も見えて怖さはなかったが、雨が降っていたせいか、誰もいない神社は怖く感じた。

僕はサイフから一万円札を取り出して、賽銭箱に入れた。そして両手を合わせて、「つぼみともう少しだけ一緒にいたい」と、軽く頭を下げて自分の願いを口にした。その瞬間、賽銭箱が光り出した。

「え!」

思わず、僕は驚きの声を上げた。

「一万円も神社に納めてくれた、優しいそなたに何かひとつ願いを叶えてやろう」

まばゆい光りと同時に、僕よりもひとまわり年上の美しいおとなの女性が現れた。

ウェーブのかかったブラウン系の髪の毛、すらりとしたモデルのようなスタイル、透明感のある、肌、上品な顔立ち、そして僕よりも年上のせいだろうか、妖艶な雰囲気を彼女から感じた。

「美しい」

僕の口から、本音が思わずこぼれた。
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