『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由


でも現実は残酷で、それから5年間。


伊織が美鈴の前に現れることはなかった。
居場所だって教えてもらえなかった。



こんな想いは自分だけだったんだ。

伊織にとっては、意味なんて無くて一度きりの快楽を求めただけだったんだ。


手っ取り早く近くにいた自分で。



子供だった美鈴には、それを理解するまで随分と時間が掛かってしまった。


だから人生初めてのモテ期は、伊織への未練が捨てきれず棒に振った。







そんな昔の事を思い出していたら湯船に長いこと浸かっていたらしく、のぼせそうになって慌てて立ち上がり浴室を出た。
< 116 / 193 >

この作品をシェア

pagetop