『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
「えっと、、、それならお昼に聞くよ?皆んなで社食に行こうよ。ね?」
「あ〜、、、それならギリセーフかな。」
「うん?なら、残り時間まで頑張るよ〜っ!」
美鈴はそう言って優しく微笑んで、パソコンに向かってデータを打ち込む。
大学を卒業してからの入社で、もうすぐ10年目にもなるとコツや要領が分かり、仕事もスムーズにこなせるようになった。
もともと仕事が出来るタイプではないが、経験を積み重ねてきた。
女の子が比較的に多い、庶務課は入れ替わりも激しい。寿退社で辞めて行く先輩や後輩を大分見てきた。
おめでたい事で、美鈴も嬉しかったが同時に悲しさを感じる。
寿退社なんて、自分には一生無理だ。