泥沼!? 夢見るオトメの恋愛事情【完】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「静月ちゃん、お待たせー。 うわ」
静月ちゃんは、私の部活の終わりまで、図書室で待ってくれている。
「いいところだから、もうちょっと」
お嬢様は、どうやら、物語のクライマックスのようで、一心不乱にページをめくっておられた。
それより。
先ほど「うわ」と言ったのは他でもない、勢揃いしていたからだ。
ルックスのいい伊集宮先輩も、
いい人どまりの円藤パイセンも、
硬派な司先輩も、
ファンクラブの怖い岸くんも、
エロ残念な橘も、
しかも彼らは、どういうわけか、いつも静月ちゃんと同じ机で、それぞれ行動をしている。
そこに、夕方のオレンジがさしこんで、なかなか絵になる風景だった。
私は、彼らを陰でひっそりと『円卓の美男子』と、呼んでいる。
静月ちゃんと岸ファンクラブの争いは、
まぁ、最初はあったけど、
結局、
『あなたが好きな人を、なんで私も好きになると言い切れるのか。 なら、私の好きなイナゴのつくだ煮を、あなたは好きになれるんでしょ?』
ファンクラブの子達に、イナゴをご馳走して、ハッピーエンドとなったのだ。
泣くわ、吐くわの阿鼻叫喚を、私は、忘れ、ない。
事実、恋愛感情がないというか、
円卓の美男子たちにニコリともしないツンドラ姫っぷりなので、ファンの誤解が溶けるのも最初から時間の問題だったのだが。
「お、ユメじゃん。 部活おつー。 なんか、部活終わりの女子ってエロいね」
手をひらひらと、させながら、
イスを傾けて、後ろの2本の脚でバランスをとる行儀の悪い奴が話しかけてきた。
さすが、Mr.性欲こと、橘だ。
自分のキャラクタを忘れていない。
「こら、橘。 なんてことを」
もちろん、それをたしなめるのは、この人。
いい人代表、円藤パイセン。
「でも、部活女子が魅力的ってことには、俺は賛成かな」
と色男・伊集宮先輩が続く。
「・・・・なに口説いてんだよ」
硬派な司先輩が、伊集宮先輩をこづく。
「ユメちゃんが魅力的ってとこには、さんせー」
無邪気に岸くんが続くが、ファンクラブに聞かれでもしたら、私は、殺されてしまうのではと、ハラハラしてしまう。
「はぁ、どうも」
このまま会話をしていると、本当に殺されかねないし、静月ちゃんの読書の邪魔になるので、私は、なにか本を探すことにした。
「静月ちゃん、お待たせー。 うわ」
静月ちゃんは、私の部活の終わりまで、図書室で待ってくれている。
「いいところだから、もうちょっと」
お嬢様は、どうやら、物語のクライマックスのようで、一心不乱にページをめくっておられた。
それより。
先ほど「うわ」と言ったのは他でもない、勢揃いしていたからだ。
ルックスのいい伊集宮先輩も、
いい人どまりの円藤パイセンも、
硬派な司先輩も、
ファンクラブの怖い岸くんも、
エロ残念な橘も、
しかも彼らは、どういうわけか、いつも静月ちゃんと同じ机で、それぞれ行動をしている。
そこに、夕方のオレンジがさしこんで、なかなか絵になる風景だった。
私は、彼らを陰でひっそりと『円卓の美男子』と、呼んでいる。
静月ちゃんと岸ファンクラブの争いは、
まぁ、最初はあったけど、
結局、
『あなたが好きな人を、なんで私も好きになると言い切れるのか。 なら、私の好きなイナゴのつくだ煮を、あなたは好きになれるんでしょ?』
ファンクラブの子達に、イナゴをご馳走して、ハッピーエンドとなったのだ。
泣くわ、吐くわの阿鼻叫喚を、私は、忘れ、ない。
事実、恋愛感情がないというか、
円卓の美男子たちにニコリともしないツンドラ姫っぷりなので、ファンの誤解が溶けるのも最初から時間の問題だったのだが。
「お、ユメじゃん。 部活おつー。 なんか、部活終わりの女子ってエロいね」
手をひらひらと、させながら、
イスを傾けて、後ろの2本の脚でバランスをとる行儀の悪い奴が話しかけてきた。
さすが、Mr.性欲こと、橘だ。
自分のキャラクタを忘れていない。
「こら、橘。 なんてことを」
もちろん、それをたしなめるのは、この人。
いい人代表、円藤パイセン。
「でも、部活女子が魅力的ってことには、俺は賛成かな」
と色男・伊集宮先輩が続く。
「・・・・なに口説いてんだよ」
硬派な司先輩が、伊集宮先輩をこづく。
「ユメちゃんが魅力的ってとこには、さんせー」
無邪気に岸くんが続くが、ファンクラブに聞かれでもしたら、私は、殺されてしまうのではと、ハラハラしてしまう。
「はぁ、どうも」
このまま会話をしていると、本当に殺されかねないし、静月ちゃんの読書の邪魔になるので、私は、なにか本を探すことにした。