幸せを探して
そして、左ページに『12月10日(木)』と書かれているページを見つけた。


「ここだ…!」


私は美花が書いた、最後の日記に目を通す。


何度読んでも飽きなかった。


目を通せば通すほど、“2人で1つ”という言葉の意味が気になる。


前のページにも、同じ言葉が書かれていた。


何故、分かったようなふりをしていたのだろう。


それに、幸せも何か未だによく分かっていない。


(お父さんとの課題、答えられないな…)


私は苦笑しながら日記を閉じ、机に置く。



そして、美花の机の上に置かれているスノードームを手に取った。


軽く振り、雪が舞うのを眺める。


「美花…」


(今日は、ニゲラの花を枕元に置いて寝てみようかな)


斎藤君の優しさに、今気がついた。



そして、寝る時間になった。


流美とお母さんは隣の部屋で眠りについている。


私は、ニゲラの花束を枕元に置き、自分も仰向けになった。


(もしも、美花に会えるのなら)


私は、ニゲラの花にそっと触れる。


(会わせて下さい)


斎藤君の優しさに、甘えるように。


沢山、言いたい事があるから。


(言わせて下さい)


駄目なら、それで良いから。



私は目を瞑り、瞬く間に夢の世界へと吸い込まれて行った。
< 171 / 248 >

この作品をシェア

pagetop