少女マンガみたいな恋がしたい!
突然頭に重みを感じたと思ったら、斉藤くんが私の頭に腕を乗せたらしい。
イケメンの腕置きとか……いいかも!
「お前、また変なこと考えてるだろ」
「べ、別に……」
「腕置きに生まれ変わりたいって思ったんじゃないの?」
「もう里ちゃん!
当たらずも遠からず!」
「げっ……」
私の言葉を聞いた斉藤くんは嫌そうな声を出し、すぐに私の頭から腕を離す。
あぁ、終わった。
私の腕置きタイム。
斉藤くんとはあの運命の出会い以来、会うたびに話すようになった。
見た目は本当にイケメンでマンガみたいだけど、中身はただの高校生だったりするよね、うん……。
「はぁ……」
「いまなんでため息ついた?」
「王子が王子じゃないからでしょ」
「誰が王子だよ」
いまでは斉藤くんは里ちゃんにいじられたりもしている。
仲良いことは美しきかな。
これはこれで楽しい日々を送れている。