イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「相手はだれ?」
「お、幼馴染みで同僚なんですけど……」
「もしかして、営業の窪田拓海くん?」

ピンポイントで、しかもフルネームで言い当てられて、私は顔をしかめてうなずく。

「やっぱり。窪田くんが入社してきた時から、かっこいいって女子社員たちが大騒ぎしてたもんね」

同期の男性社員。と言っただけでまず最初に名前が挙がってしまうくらい、拓海は社内でも目立つ存在だ。

顔を赤くして小さくなった私を見て、スミレさんは長い前髪をかき上げながら「ふーっ」とため息をついた。

綺麗な顔立ちに、ゆるくカールしたワンレングスの長い髪。
そんな女性らしい外見とは少しギャップがあるサバサバした性格のスミレさんは、入社当時から引っ込み思案で地味な私のことをよく気にかけてくれていた。

「前から佳奈ちゃんはあんまり恋愛の話をしないから、そういうのは苦手なんだろうなとは思ってたけど……」

テーブルに頬杖をついてつぶやきながら、視線がこちらに流れてくる。


 
< 34 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop