イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

その理由を拓海にうまく説明するために私が言葉を選んでいると、気の短い幼馴染は「はぁー」と長いため息をつく。

「処女だってことを、誰かにバカにでもされたのか?」
「しょ、処女って……っ!」

拓海の口から出た露骨な言葉に思わず飛び上がる。

そんな生々しい言い方をしないでほしい! もっとこう、『恋愛下手』とか『経験が少ない』とか、ふわっとオブラートに包んで言ってくれてもいいのにっ!

「二十五歳にもなって、処女って言われたくらいでいちいち真っ赤になるなよ」

動揺する私をバカにするように鼻で笑う意地悪な拓海を涙目で睨む。
落ち着くために、ずりおちた眼鏡を押し上げ、ふーっと息を吐き出してから口を開いた。

「この前同じ部署の先輩とごはん食べてた時に、一度も男の人とデートしたことも付き合ったこともないって言ったら、さすがにそれはヤバイんじゃないのかって心配されて……」

言いながらうつむくと、私のセミロングの髪が視界を覆う。


 
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