秘書室長と鉄壁女子の攻防戦


「また初対面の人?」

「そう。もしかして会社に出入りしている業者さん…なワケないか。多分、どっかの部署の人、かな?」

「なに、そのテキトーな推理!」

菜緒はクスクスと笑っている。

「菜緒を見てると癒されるよ」

「私が癒し?園子、頭のネジ、どっかに落としてきたんじゃないの?」

「それは大変。急いで探しに行かなくちゃ」

時間がないとわかっていても、くだらないおしゃべりは尽きることがない。

私の大切な同期の菜緒との時間は、とても心地いい。

間違いなく、菜緒は癒し系だと思う。

そんな菜緒が今まで誰とも付き合ったことがないと聞かされた時は、驚愕のあまり、顎がはずれるかと思った。

男の人が苦手で恐怖を感じると言われたら、まぁ、納得はしたけど。

私の勘では、菜緒はきっと素敵な恋愛が出来るような気がする。

それも身近にいるんじゃないかと勝手に思っている。

私の勘は、時々は当たる。


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